【古物商とは①】リサイクルショップ開業

リタウン・リサイクルショップ情報では、特にリサイクルショップ開業、運営のノウハウなど、ショップに有益な情報を配信していく予定です。

今日はリサイクルショップ運営に必須の古物商について第一回【古物商とは①】です。

皆さんは古物商って聞くと、どう思われますか?

古物って古い物、商って商人あるいは商売のことになりますが、この[古い物]と[商人あるいは商売]というのが厳密に細かく定義されているのです。

古い物を売るのに古物商が必要かっていうとそういうわけでなく、より具体的に古物商が必要なケース、必要でないケースが出てきますので、より詳しく見ていこうと思います。

参考サイト→【古物商についての基礎知識】古物商になる為に必要な許可とは?

古物商の【古物】とはなんのことなのか?

古物っていうと単純に古い物ということになりますが、法律で定める古物とは厳密にいうと単純に古い物というわけではありません。

【古物営業法の目的(第2条第1項)】

  1. 一度使用された物品
  2. 一度も使用されていない物品でも、使用の為に購入したもの
  3. これらいずれかの物品に”幾分の手入れ”をしたもの

古物営業法の目的(第2条第1項)では、一度使用されたもの、一度も使用されていない物品でも使用のために購入したもの、そしてこれらのいずれかの物品に”幾分の手入れ”をしたものということになります。

新品未使用品が3の幾分の手入れをしたもの、になるかどうかは微妙な部分ですが、小売店から購入した時点で古物に該当する可能性があり注意が必要です。逆に問屋などから定期的に購入して販売する場合は、古物の販売にあたらない可能性が高いです。

古物にあたる13品目について

古物営業法で定められている古物商が扱う古物は、全部で13品目に分類されています。

古物商の申請をする場合は、この13品目の中からメインの1品目を選ぶかたちになります。サブで複数を選ぶことも可能ですが、あとから追加をすることが可能ですので、現時点で取り扱うものみ入れるようにしないと、警察(申請は最寄りの警察署)でつっこまれることがあるので注意しましょう。

【古物にあたる13品目】

1.美術品類 美術品価値を有するもの全て
ex)絵画,彫刻,アンティーク
2. 衣類  身にまとう繊維・革製品等
ex)婦人服,紳士服,子ども服
3.時計/宝飾品類  身に着けて使用される飾り物やし好によって選択されるもの
ex)アクセサリー,宝石,腕時計
4.自動車
(部品含む)
 自動車及び自動車の本来的用法として一部に使用されるも
ex)自動車,軽自動車,その他部品
5.自動二輪者および原動機付自転車
(部品含む)
 自動二輪車、原動機付自転車、これらの一部として本来的用法として一部使用されるもの
ex)自動二輪者,原動機付自転車,その他部品
6.自転車類
(部品含む)
 自転車及び自転車の本来的用法として一部に使用されるもの
ex)自動車,軽自動車,その他部品(空気入れやカゴ等)
7.写真機類  プリズム、レンズ、反射鏡等を組み合わせて作った写真機、
顕微鏡、分光器等
ex)カメラ,ビデオカメラ,レンズ,望遠鏡、天体望遠鏡,光学機器
8.事務機器類  主に計算、記録、連絡等の能率を向上させるために使用される機械等
ex)レジスター,パソコン,コピー機,電話.FAX,シュレッダー
9.機械工具類  8.の事務機器類に該当せず、電機によって駆動する機械及び器具及び他の物品の生産、修理等のために使用される機械及び器具
ex)医療機器類,電気機械,土木機械,工作機械,家庭電化製品
10.道具類  上記1~9及び11~13に該当しないもの
ex)日常品,スポーツ用品,家具,楽器,玩具類
11.皮革/ゴム製品類  主として、皮革又はゴムから作られているもの
ex)鞄,靴,財布,毛皮類,化学製品(ビニール製、レザー製)
12.書籍  絹布、紙等の軟質な素材に、文字、記号、図面等を筆写、印刷し装丁・製本したもの
ex)漫画,雑誌,中古本,地図,辞書
13.金券類  金額が記載されているか、電磁的方法により記録されている証票その他のもの
ex)商品券,各種入場券,航空券,乗車券,株主優待券

13品目に含まれないものは古物でないのか

ここで疑問に思うのが、上記13品目に含まれないものです。

古物営業法 第一条

この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。

そもそも古物営業法は、その目的が盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るためのものであり、盗難のリスクがない大型のものについては上記13品目に含まれず、また古物商営業法で定める古物にも当たらないとされています。

例えば、航空機や鉄道車両、重量が1トンを超える機械で容易に運搬ができない状態のものは古物に該当しません。

また、消費してなくなってしまうことから食品や化粧品なども古物に該当されないとされています。

古物商になる方法

さて、いわゆるリサイクルショップを開業したい、古物商になりたいという場合は、古物商の免許の申請して取得をする必要があります。

古物商許可の申請は個人でも会社でも両方可能です。

自分で警察署に行って申請も可能性ですし、書類のやり取りや時間を短縮されたい方は行政書士に依頼することも可能です。

すべて自分でやる場合の申請にかかる手数料は19,000円です。

一方、行政書士などに依頼をすると2-3万円が相場のようです。

古物商になるメリット

古物商になるデメリットは、特にありません。

上記費用がかかってしまうということと、古物商許可取得に2か月くらいかかってしまうということくらいです。

一方、メリットはたくさんありますので、下記にて詳しく説明をします。

無許可営業での逮捕・処罰に怯える必要がない(堂々と取引ができる)

昨今、ヤフオクやメルカリで売買を行うことで、定期的に売り上げ・収益を上げる個人や会社に対しての規制が厳しくなってきました。

今年に入って個人で特定のブランドをヤフオクやメルカリで売買して売り上げを上げていた人が、摘発・逮捕された事件は有名です。

「せどり」と言われる、ネットで買い付けて、ネットで販売するには古物商が必要であり、その線引きも難しく、個人のビジネスとして複数回やっている人は、かならず古物商の免許を持っておいたほうがいいと言えます。

古物営業法
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業を営んだ者
二 偽りその他不正の手段により第三条の規定による許可を受けた者
三 第九条の規定に違反した者
四 第二十四条の規定による公安委員会の命令に違反した者

無許可営業の罰則は非常に厳しく、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金となります。

古物市場への参加・買付けが可能になる

リサイクルショップを開業するにあたり、お店の商品を定期的に確保するためには店舗や出張買取だけでは賄いきれません。

そこで必要になってくるのが、古物市場への参加です。

市場名   ジャパンオークションセンター
開催場所  東京都足立区中央本町4-15-1
主な取扱品 厨房商品、オフィス商品、家具家電商品、ブランド品など
入会金   30,000円
年会費   なし
参加費   2,000円(駐車場代1台あたり1,000円)
運営団体  ジャパンオークションセンター株式会社
URL    http://auctioncenter.co.jp/jac/

上記が関東でリサイクルショップを開業する際に一番おすすめな古物市場です。

ブランド品を扱っている市場は多いのですが、ジャパンオークションセンターの場合は、家具家電、厨房機器、オフィス家具など、幅広いジャンルを扱っており、リサイクルショップを開業する際に必要なさまざまなものを仕入れることが可能です。

税金を抑える、節税対策になる

古物商の免許が取得できると、古物の仕入れにかかる費用をコストとして落とすことが可能です。

必要経費としてコスト計上できるということは、節税対策として非常に大きいです。

少し議論の分かれるところですが、年末で思ったより利益が出そうなタイミングで、たくさんの仕入れ(古物を仕入れ)することで、実質的に年度内の利益を抑えることができます。

※実質利益の繰り延べにはなりますので、該当の古物を販売した際の利益が大きくなります。

お客様からの信用性・信頼性があがる

古物商であることを商売上示すことは、企業間だけではなく、個人のお客様にとっても合法な業者であることを示すことでもあり、信用性・信頼性を上げることができます。

ウェブサイトでも、古物商の番号が書いてあるほうが信頼されますし、しっかりとした運営サイトの場合は、古物商の番号が登録に必須であることが多いです。

免許証は常に携帯することで、出張買取などでも必ず提示するように心がけましょう。

古物商許可の取得方法

古物商許可が取得できない非適格要件は、古物営業法第4条に詳しく明記されています。

第四条 公安委員会は、前条の規定による許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
二 禁錮以上の刑に処せられ、又は第三十一条に規定する罪若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条、第二百四十七条、第二百五十四条若しくは第二百五十六条第二項に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた日から起算して五年を経過しない者
三 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
四 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの
五 住居の定まらない者
六 第二十四条第一項の規定によりその古物営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)
七 第二十四条第一項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該取消しをする日又は当該取消しをしないことを決定する日までの間に第八条第一項第一号の規定による許可証の返納をした者(その古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で、当該返納の日から起算して五年を経過しないもの
八 心身の故障により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
九 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が古物商又は古物市場主の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び第十一号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。
十 営業所(営業所のない者にあつては、住所又は居所をいう。以下同じ。)又は古物市場ごとに第十三条第一項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者
十一 法人で、その役員のうちに第一号から第八号までのいずれかに該当する者があるもの
その成年した日本人であれば誰でも古物商免許を取得するこおができますが、未成年と外国人の場合だけ注意が必要です。

未成年の場合の古物商免許取得方法

古物商は商という名前の通り、古物を売買する商人・商売をするための免許です。
そのため未成年者が古物商免許を取得するためには、民法における未成年者の営業についての論点となります。
民法第6条 (未成年者の営業の許可)
一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
未成年者であても営業許可を受ければ、古物商免許を取得することが可能です。
未成年者の営業許可の論点については、実はもう一つ論点があります。そう、それは未成年者の結婚です。
第753条(婚姻による成年擬制)
未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
こちらも民法における重要な論点、未成年者の成年擬制と言われるものです。
未成年者であっても結婚をした場合は、もう一人前とみなされ成人とみなされるのdす。そのため、営業もすることができ、古物商許可を取得することができると言えます。

外国人の場合の古物商免許取得方法

日本人と違って外国人の場合は、日本人とは違う書類が追加で必要になるので注意が必要です。
入国管理法・入国管理特例法が改正され、「外国人登録法」が廃止されるとともに、「住民基本台帳法の一部を改正する法律」が2012年(平成24年)7月9日に施行されました。 これにより、一定の外国人住民の方も日本人と同様に住民票が作成され、届出の方法や場所などが変わっています。
以前は外国人登録証明書を住民票の代わりに提出していたのですが、法律の改正により外国人も住民票を取得できます。
そのため、外国人が日本人と違って準備しないといけない書類は、「身分証明書」の代わりになるものです。
加えて、外国人が古物商免許を取得するには適切な在留証明(ビザ)が必要です。
以下、それぞれに関して詳しく説明します。

外国人の古物商許可申請「身分証明書」の代わりになるもの

こちらについては、実際に申請する警察署に行って事前に相談することをお勧めします。
多くのケースでは『申請する外国人は禁治産者や準禁治産者に該当せず、取引能力が制限される者にはあてはまらない』旨の文言を記載し、かつ日本人2名以上が署名した証明書を用意する必要があります。
※上記については特別な対応となるため、必ず警察署に確認ください。(地方自治の観点から最寄りの警察署に裁量を任せていると思われます)

古物商許可申請が可能なビザの種類

観光ビザなどでは当然古物商の申請はできません。
日本で古物商としてやっていけるに十分なビザというのがポイントになります。
① 経営・管理
日本で事業経営をするためビザ(在留資格)です。個人で古物商許可を取得する場合や、会社を設立して役員として日本で活動するためのビザです
② 永住者
生涯生活の本拠を日本で過ごすことを想定されており、活動の制限や期間の制限がないビザ(在留資格)です。また特徴として就労制限がないため、古物商許可を取得することが可能です。
③ 日本人の配偶者等
日本人の配偶者、日本人の子(特別養子含む)等の方などです。就労制限がないため古物商許可の取得可能です。
④ 定住者
日本に相当期間の在留を認める特別の事情がある場合で、法務大臣が認めた者に対して与えられるビザ(在留資格)です。 例えば、日本人と一度結婚したが離婚や死別をし、その後も日本にいたいと希望をして認められると定住者ビザへ切り替えがなされます。就労制限がないため古物商許可の取得が可能です
※その他「技術、人文知識、国際業務」「企業内転勤」には条件が必要となりますので注意が必要です。
ご自身が持っているビザが該当するなど事前に確認する必要があります。
※外国人が古物商免許を取得するのをご自身でやるのはお勧めしません。行政書士に依頼することをお勧めします。

古物商許可申請・取得の難易度

古物商は資格試験ではありませんので、試験を受けることなく基本日本人であれば誰でも取得可能です。
そういう点では、国家資格である宅建、行政書士などと比較して取得が簡単であると言えます。
一方、申請には2か月も要することになり、それをすべて自分でやるか、行政書士に頼むかは悩ましいところです。
時間はたっぷりあるし、少しでも節約したいという人はご本人で申請することをお勧めします。
行政書士に依頼するのも、2-3万円程度でできますので、自分の時間を有効に使って新しい仕事の準備に時間をかけたい方などは、ぜひ行政書士に依頼を検討ください。
以上となります。

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