カテゴリー: 古物商

  • 【古物商とは④】リサイクルショップ開業

    リタウン・リサイクルショップ情報では、特にリサイクルショップ開業、運営のノウハウなど、ショップに有益な情報を配信しています。今日はリサイクルショップ運営に必須の古物商について第四回【古物商とは④】です。

    第三回では古物商許可を取得可能か(欠格要件)、また古物商に必要不可欠な営業所と管理者についてもお伝えしました。これらは非常に大事なポイントなので、まだ読まれていない方は必ずチェックして下さい。

    さて、取り扱う古物の種類や営業所・管理者などある程度のことを決めたら、申請のために書類の準備をしなければなりません。しかし書類準備といっても個人か法人かで用意する書類も異なります。

    リサイクルショップを始めるにあたり個人事業か会社設立かは悩ましいポイントでもあるかと思います。また、それらを決める際に何を基準として考えるかも大切です。

    今回は、古物商許可取得において得る個人・法人のそれぞれのメリット、そして申請の際にそれぞれに必要となる書類について見ていこうと思います。

    参考サイト①→【古物商】個人事業か法人設立か~古物商許可はどちらで取得するべきか~
    参考サイト②→【古物商】古物商許可申請に必要な書類まとめ
    参考サイト③→【古物商】URLの届出とは~古物取引をホームページ上で行う場合~

    個人で古物商許可を申請する場合

    個人のメリット

    手軽に始めることができる

    古物商許可は手軽に取得可能な許可の一つとしても知られていて、事業開始のために必要なものは個人で用意することができます。

    例えば前回の記事でお話しした”営業所”や”管理者”ですが、営業所は条件を満たすことができれば自宅を営業所として申請することも可能です。また、管理者においても同じく申請者が兼ねることも可能(※例外あり)なので、このように自分が今持ち合わせている中でのやりくりを可能とするのが古物商許可です。

    新しく準備するものが最小限で済むことは、初めてこの業界で挑戦しようとしている人からするとハードルは低くなるため、より挑戦しやすいのではないでしょうか。

    また、個人で行っても信用度の問題等で中々利益をだすことが難しい事業もありますが古物商の場合はインターネットを駆使し活用することで個人でも利益をだすことができる点も大きなポイントです。例え手軽に許可を取得できたとしても、その後の利益に繋がりにくければ元も子もありませんので、その点は古物商は有利ともいえます。

    ”万が一”の際のビジネスチャンスに繋がる

    古物商許可は一度取得してしまえば死ぬまで一生有効です。
    ※古物商許可取得時から6ヵ月以上営業を開始しない場合は、許可を取り消される可能性があります。(古物営業法)

    個人名義で取得した古物商許可は個人のものなので、万が一事業がうまくいかず一度やめたとしても、再度どこかのタイミングで古物商許可を使用してビジネスに再度挑戦することもできます。要は、失敗してしばらくの間休業しても、個人名義の古物商許可を持っていれば、また手軽に始めることができるのです。

    ”万が一”の状況になっても再度ビジネスチャンスを掴むことができるかもしれないというのは、個人で取得する際に持つことができるメリットです。

    法人の場合だと法人格に許可が与えられることとなるので事業を廃業してしまった場合は無効となりますし、何らかの理由で自らが組織から抜けた場合は、あなた個人には何も残りません。

    個人申請で必要な書類

    個人で申請する際に必要となる書類の一覧はこちら

     

    申請書類

    申請書1枚目(別記様式第1号その1(ア))
    申請書2枚目(別記様式第1号その2)
    申請書3枚目(別記様式第1号その4)
     

     

    添付書類

    略歴書
    誓約書
    住民票
    身分証明書
     

     

    ※その他必要となり得る書類

    賃貸借契約書のコピー
    使用承諾書
    URLの使用権限疎明資料
    営業所の見取り図・周辺地図
    駐車場等保管スペースの資料

    必ず準備が必要な書類は【申請書類】と【添付書類】を含む7種類です。その他必要となり得る書類とは、どこを営業所にするか、また古物営業をする上でインターネットを利用するか等で提出が必要かどうか異なるので、書類準備前にご自身が該当しているのか確認してください。

    申請書類等は申請する都道府県の警察ホームページでダウンロード可能です。または相談も兼ねて直接警察署に訪れて申請書をもらうのも良いでしょう。本記事では警視庁ホームページの届出様式の一覧を参考に説明します。

    申請書類

    古物商許可申請書は一番大事な書類です。個人で申請する際にはメインとなる3枚の用紙の記入が必要となります。

    許可申請書(別記様式第1号その1(ア))

    申請者自身の情報を記載します。太枠内は記載が必要です。

    タイトルのところはリサイクルショップオーナーであれば”古物商”ですので、古物商の方をマルで囲みます。宛先(~~殿)は””主たる営業所”のある都道府県名を記載してください。古物商許可を申請する際は営業所を管轄する警察署へ申請に行きますが、警察署は窓口であり実際に許可を受理するかどうか審査をするのは公安委員会です。したがって、くれぐれも宛先のところに申請にいく予定の警察署名等を記入しないように気をつけましょう。

    その他注意するべき点として4点。

    その①:電話番号は必ず繋がる番号にすること。

    申請自体は固定電話でも問題はありませんが、許可が受理されたかどうかの連絡または許可取得後の連絡もこの番号にくることになります。日中連絡を受けやすい番号で記載してください。

    その②:「行商をしようとする者であるかどうかの別」の欄では必ず”する”をマルで囲ぶこと。

    古物商は営業所と定めた場所以外での営業は基本的には禁止されています。ただし、平成30年に施行された古物営業法の改正法にて営業予定の3日前までに届出を提出することで仮設店舗でも営業(古物売買)が可能とはなりましたが、このように営業所を飛び出して古物営業をする場合には「行商する」で許可証を取得している必要があるのです。

    「行商する」と申請することで可能となるのは仮設店舗だけではありません。当サイトでもご提案している”無店舗型の出張買取専門店”などを行う場合も同様です。出張買取ということは、相手先の居所までいって買取(古物営業)を行うことになるので、その際は必ず「行商する」で申請していなければいけません。万が一にでも「行商しない」で許可取得していたにも関わらず、そのような営業を行っていれば古物営業法違反となり処罰の対象になるのはいうまでもありません。

    その③:「主として取り扱おうとする古物の区分」では1つのみを選択

    申請書にも注意書きで記載されていますが、いずれか1つにマルを付けてください。人によっては、1つでは収まらずいくつかの品目を取り扱おうと考えている人もいるかと思いますが、それらを選択するのは別用紙の欄にあります。ですので、ご自身が取り扱う物の中からメイン(最も取り扱いが多いと予想するもの))を決めて、そのメインの品目を1つマルで囲みましょう。

    その④:「代表者等」の欄は基本は空欄

    申請者が成人している場合は無記入で問題ありません。申請者が未成年者である場合は法定代理人の情報をこの欄に記載します。※未成年者が古物商許可を取得するには条件を満たしている必要があります。

    許可申請書(別記様式第1号その2)

    古物商は必ず営業所が必要とされますので、形態の欄は必ず「営業所あり」にマルを付けてください。先ほどの申請書1枚目ではメインで取り扱う古物の区分を1つだけ選ぶようお伝えしましたが、今回の用紙では取り扱うとされる古物の区分全て選んでもらって問題ないです。むしろ取り扱う予定の物は全て漏らすことなくマルをつけましょう。しかし、可能性があるからというだけで”とりあえず”で適当にマルをつけてはいけません。取り扱う品目によっては別途添付書類を必要とするものもありますし、申請時にあれこれ質問される可能性は高くなります。くれぐれも必ず取り扱う予定の物だけ選んでください。取り扱う品目を増やしたい際は、後ほど変更届出を提出することで取り扱い可能になりますので焦る必要はありません。

    ここでは管理者について記載する欄があります。

    申請者が管理者を兼ねる場合でも再度記載する必要があります。その他の人に任せる場合は”管理者の欠格要件に該当していないことを確認したのち”当該人物の情報を記載してください。

    ◎営業所が賃貸契約の物件の場合、その他必要書類はこちら賃貸借契約書のコピー&使用承諾書

    許可申請書(別記様式第1号その4)

    申請書3枚目はURLの届出用紙です。古物の売買を自身のホームページを利用して行う場合は必ず詳細を記載し提出しなければなりません。

    申請時に既に準備万端で後は商品を掲載し取引を始めるのみ。という状態であれば直ちに申請が必要となりますが、今後その予定だけどサイト自体はまだ出来上がっていない等の場合はこのタイミングで申請する必要はありません。むしろ、申請したところで未完成であれば審査する側もサイトの造りが適切かどうか判断はできません。

    許可取得後にサイトが完成した場合は、開設後14日以内に変更届出を提出すれば問題ありません。

    悩まれるのは、リサイクルショップに関する情報や商品紹介などで広告としてホームページを利用をしている場合ですが、それらの行為はインターネット上の営業には該当しません。また古物の営業を行うが、自分ではなく他者の運営するオークションサイトでのみ行う場合。これらはURLの届出は不要とされているので「用いない」を選択しその他は一切記載する必要はありません。

    ◎「用いる」を選択した場合のその他必要書類はこちら→URLの使用権限疎明資料

    添付書類

    添付書類は4種類です。

    ▶略歴書

    略歴書では少なくとも申請時の直近5年に関する経歴を記載する必要があります。書き方など困った場合は管轄の警察署のホームページに記載例が載っている場合が多いので確認しましょう。注意点として空白期間があると受理されませんので必ず埋める必要があります。正社員として働いていた経歴じゃなくても問題はありませんので、正直に、行っていた内容を細かく記載するようにしましょう。

    ▶誓約書

    誓約書は申請者自身が欠格要件に該当していない旨を誓約する書面です。当然ですが誓約項目の中のどれか一つでも該当していた場合は古物商許可の申請はできませんので、記名する前に再度必ず確認しましょう。

    住民票

    本籍地の記載がある住民票を取得してください。住民登録している市区町村役場にて取得可能です。住民票は”抄本”で問題ありません。

    身分証明書

    本籍地の市区町村役場にて発行可能なので、住民票と同時に取得すると効率は良いでしょう。欠格要件に含まれている”破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者”ではないことを証明するための書面です。

    管理者が必要な書類

     

     

    添付書類

    略歴書
    誓約書
    住民票
    身分証明書

    これら上記の添付書類は管理者となる人物も同様に準備し提出しなければなりません。申請者本人が管理者を兼ねる場合は別途用意は必要ありません。ただし、管理者としての誓約をしなければならないので、申請者本人または役員が管理者を兼ねる場合は”管理者用の誓約書”の方を提出してください。

    誓約書は個人用/管理者用/法人役員用と種類が分かれています。

    参考までに警視庁(東京都)の記載例を下記リンクからご確認頂けます。
    警視庁ホームページ(申請届出様式等一覧)

    ただしダウンロードは各都道府県の警察署ホームページから行いましょう。それぞれ見本の様式も異なりますのでその方が受け取り側にも印象が良いです。

    法人で古物商許可を申請する場合

    法人のメリット

    信用度があがる

    法人の方が取引上、安心感を持ってもらうことができます。信用度が高くなることは、ビジネスをする上で非常に大事なポイントです。特に取り扱う物が高額になればなるほど信用度があることは取引上有利になります。信用度は取引相手のみに限らず銀行からの信用度も同様です。事業を展開していくうえで資金が必要になるタイミングがくるかもしれません。その際に法人の方が銀行での融資が受けやすくなります。

    永続的に許可を使用できる

    古物商許可は個人での取得の場合、許可をもつ本人が亡くなった場合は効力を失います。そのため個人事業の場合、誰かにそれらをそのまま引き継ぐことは不可能です。事業を引き継ぐ場合は、引き継ぐ人物が許可を新たに申請し古物商許可を取得する必要があります。しかし法人の場合は古物商許可は”法人格”に与えられますので事業が廃業にでもならない限り永続的に使用できるのです。

    したがって将来を踏まえて考えた時に、自分の代のみで終わらせず長く古物営業を続けていきたいとする場合は、最初の段階で法人として古物商許可を取得する方が良いでしょう。最初は個人で初めて様子を見て法人にする・・・という場合でも、個人で取得した”個人名義の許可”は法人でそのまま使用することはできませんので、再度とり直しが必要となります。

    法人申請で必要な書類

    法人で申請する際は個人申請の時より書類の数が少し多くなります。

     

    申請書類

    申請書1枚目(別記様式第1号その1(ア))(別記様式第1号その1(イ))
    申請書2枚目(別記様式第1号その2)(別記様式第1号その3)
    申請書3枚目(別記様式第1号その4)
     

     

    添付書類

    略歴書
    誓約書
    住民票
    身分証明書
    登記事項証明書
    定款の写し
     

     

    ※その他必要となり得る書類

    賃貸借契約書のコピー
    使用承諾書
    URLの使用権限疎明資料
    営業所の見取り図・周辺地図
    駐車場等保管スペースの資料

    法人の場合、古物商許可はその”法人格”に与えられることとなります。

    会社の規模が大きければ大きいほど必要書類も多くなります(役員用が増えるため)ので、準備期間には余裕をもつようにしてください。

    申請書類

    許可申請書(別記様式第1号その1(ア))/(別記様式第1号その1(イ))

    会社の情報を記載します。太枠内は記載が必要です。

    タイトルのところは古物商の方をマルで囲みます。宛先(~~殿)は””主たる営業所”のある都道府県名を記載してください。くれぐれも宛先のところに申請にいく予定の警察署名等を記入しないように気をつけましょう。

    その他注意するべき点として4点。

    その①:電話番号は本社(代表者)の番号を記載

    まだ会社の固定電話の用意がない場合は、代表者の番号で問題ありません。しかし、用意ができたら速やかに変更をする必要があります。

    その②:申請者情報の記載は、履歴事項全部証明書を参考に

    住所、商号は添付書類として取得する”履歴事項全部証明書”に記載のある内容を記載してください。

    その③:「行商をしようとする者であるかどうかの別」の欄では必ず”する”をマルで囲ぶこと。

    古物商は営業所と定めた場所以外での営業は基本的には禁止されています。ただし、平成30年に施行された古物営業法の改正法にて営業予定の3日前までに届出を提出することで仮設店舗でも営業(古物売買)が可能とはなりましたが、このように営業所を飛び出して古物営業をする場合には「行商する」で許可証を取得している必要があるのです。

    「行商する」と申請することで可能となるのは仮設店舗だけではありません。当サイトでもご提案している”無店舗型の出張買取専門店”などを行う場合も同様です。出張買取ということは、相手先の居所までいって買取(古物営業)を行うことになるので、その際は必ず「行商する」で申請していなければいけません。万が一にでも「行商しない」で許可取得していたにも関わらず、そのような営業を行っていれば古物営業法違反となり処罰の対象になるのはいうまでもありません。

    その④:「主として取り扱おうとする古物の区分」では1つのみを選択

    申請書にも注意書きで記載されていますが、いずれか1つにマルを付けてください。人によっては、1つでは収まらずいくつかの品目を取り扱おうと考えている人もいるかと思いますが、それらを選択するのは別用紙の欄にあります。ですので、ご自身が取り扱う物の中からメイン(最も取り扱いが多いと予想するもの))を決めて、そのメインの品目を1つマルで囲みましょう。

    その⑤:「代表者等」の欄は代表取締役の情報を

    代表取締役の名前・住所等を記載してください。法人の場合は必ず埋めてなければなりません。

    申請書1枚目の「代表者等」の欄には代表取締役の情報を記載しますが、法人で古物商許可を取得する場合は会社の役員全員の情報も併せて提出が義務付けられています。人数が何名であろうと全員分必要です。

    (別記様式第1号その1(イ))では申請書1枚目では書ききれない役員の情報を記載します。1枚に3名分記入できるようになっているので、必要人数に合わせて用意しましょう。監査役、取締役も全員含みます。

    許可申請書(別記様式第1号その2)/(別記様式第1号その3)

    営業所の詳細を記載します。上記の(別記様式第1号その2)は”主たる営業所”に関して記載するものです。

    主たる営業所とは、いわば拠点となる、メインの営業所のことです。個人申請の場合は営業所を自宅などにして無店舗型で始める人も多いでしょう。しかし中には、特に法人の場合は店舗を持つこともあります。店舗がある、ないにせよ古物の取り引きを行う営業所が一ヵ所であれば、そこが”主たる営業所”となりますが、もしも古物の取り引きを何ヵ所か分かれた場所で行う場合は、それぞれの場所を営業所として申請する必要があります。

    メインの場所以外を”その他の営業所”として以下(別記様式第1号その3)の用紙に記載します。

    各営業所に必ず管理者が必要です。営業所が多くなればなるほど、管理者の選任にも苦労するかもしれません。また、管理者が変わる度に変更届が義務付けられるので、それらの管理も徹底して行わなわなければなりません。

    ◎営業所が賃貸契約の物件の場合、その他必要書類→賃貸借契約書のコピー&使用承諾書

    許可申請書(別記様式第1号その4)

    URLの届出は法人も個人も変わりません。インターネットを利用して営業を行う場合は必ず「用いる」を選択にて詳細を記入しましょう。

    ◎URLの届出について詳細→こちら

    添付書類

    法人の場合は添付書類は6種類必要となります。4種類は個人申請の際と同様のものです。

    以下4種類は代表取締役と、その他役員全員分の提出が必要となります。

    ▶略歴書
    ▶誓約書
    住民票
    身分証明書

    役員の出身にもよりますが、本籍地の市区町村での取得となると手間がかかるのは間違いありません。役場などは平日の日中のみ手続き可能ですので、それらも考慮してまとめて社内の代理人に頼むか、または人数が多い場合は行政書士に依頼するのも一つの手です。

    以下は会社で用意が必要な書類です。


    登記事項証明書

    登記事項証明書とは、会社に関する基本的事項を証明する公的書類です。必要となるのは「履歴事項全部証明書」です。

    全国の法務局や地方法務局で取得できますが、有効期限は発行から3ヵ月以内のものとなるのでその他書類の準備の様子を見ながらタイミングをみて発行しましょう。

    定款の写し

    定款とは会社の基本的規則を定めた書類です。事業目的欄には古物営業に関する記載がなければなりません。万が一、それらの記載がない場合は定款の変更が必要となります。

    定款の変更には時間を要しますが、変更が完了するまで申請を待つ必要はありません。”確認書”を提出することで申請後に直ちに変更する旨を伝えます。確認書の提出と並行して、定款の変更の対応を進め、変更が完了したのち改めて変更届を提出します。

    個人・法人問わず、その他必要となり得る書類

    申請書類と添付書類の他に、場合によっては警察署から提出を求められる書類があります。自分が該当しているのかどうか定かではない場合は管轄の警察署に事前に相談しましょう。先に相談したのち、必要な書類のみを準備する方が時間も手間もかかりません。

     

     

    ※その他必要となり得る書類

    賃貸借契約書のコピー
    使用承諾書
    URLの使用権限疎明資料
    営業所の見取り図・周辺地図
    駐車場等保管スペースの資料

    賃貸借契約書のコピー/使用承諾書/営業所の見取り図・周辺地図

    営業所は使用する古物商が”物件使用の権限をもつかどうか”が重要となります。

    所有者が自分または会社である場合は話は別ですが、多くの場合は賃貸として契約している物件を使用することがほとんどだと思います。そのため、公安委員会では営業所として申請される場所が古物営業に適切か判断すると同時に、古物営業をその場所で行うことを所有者が認めているかどうかを確認する必要があります。

    確認のために提出を求められる書類が多くて3種類。

    賃貸契約をしている旨を証明するための”賃貸借契約書のコピー”、そして契約書記載の所有者より物件を営業所として使用することを承諾してもらったことを証明する”使用承諾書”。更に、営業内容(取り扱う古物の種類)によっては、営業所の見取り図や周辺地図を求められる場合もあります。

    ※見取り図や周辺地図は手書きや写真でも問題ないとされています。

    駐車場等保管スペースの資料

    古物商が扱う13品目の中で、一番大きいものといえば自動車です。

    自動車は、衣類や書籍等その他の古物と違い営業所で保管するには場所の問題で困難な場合が多いです。その為に、扱う古物の品目で自動車を選んでいる場合は必ず保管場所の詳細を求められます。営業所に駐車場が完備してある場合は上記で求められる営業所の見取り図提出で済みますが、営業所と別の場所を保管スペースとして使用する場合は、営業所の書類とは別でその保管場所の賃貸借契約書のコピー/使用承諾書/見取り図が求められます。

    URLの使用権限疎明資料

    許可申請書3枚目の(別記様式第1号その4)で「用いる」を選択した場合は、URLの使用権限疎明資料が必要となります。これは簡単にいうと、申請者自身がそのURLを使用する権限があることを明確にするための資料です。

    以下を用意することができれば問題ありません。

    ①プロバイダ等からのドメイン割当通知書等の写し

    固有のドメインを取得する際にはプロバイダから”ユーザー証明書”や”ドメイン取得証”または”開通通知”や”設定通知書”などが送付されます。重要なのは、登録者/発行元(プロバイダ名)/ドメインの確認ができるかどうか。公安委員会ではこれらの情報を必要としているので、資料を提出する前には必ずこれらを確認することができるかどうかチェックしてください。

    ②ドメイン取得サイトにある「ドメイン検索」「WHO IS検索」を実施し、検索結果の画面を印刷したもの

    誰が登録者なのかを検索できるサービス”WHO IS”。このドメイン検索にて該当のURLを検索し、結果画面を印刷します。ドメインの所有者が申請者本人と違いないことが確認できれば問題ありません。

    ※ホームページの所有者が自分ではない場合

    万が一、自分で作成したホームページではない場合、いくらドメインの確認をしたところで登録者名で本人確認はできません。上記の資料の提出が必要なのはURLを使用する権限があるかの確認なので、第三者に作成してもらったサイトを使用する場合は、使用を承諾してもらっていることを証明するための使用承諾書の提出が必要となります。

     

    まとめ

    必ず必要となる【申請書類】と【添付書類】に加え、その他書類など、古物商許可申請には多くの書類の用意が必要となります。ですが、本記事でも紹介しているようにご自身で調べて知識を深めることができれば、自分で申請することはそこまで難しいことではありません。

    個人、法人、どちらで取得しようとも申請時にかかる費用は19,000円で審査期間等にも違いはありません。但し必要書類の準備や欠格要件のチェックなどを含むと法人での申請の方が少し手間が増えるのは事実です。

    どの道を選ぶことがあなたにとって最良なのか、今後のことも考慮しつつ慎重に検討しましょう。

     

    では今回はここまでです。それではまた。

  • 【古物商とは③】リサイクルショップ開業

    リタウン・リサイクルショップ情報では、特にリサイクルショップ開業、運営のノウハウなど、ショップに有益な情報を配信しています。今日はリサイクルショップ運営に必須の古物商について第三回【古物商とは③】です。

    第二回では古物商許可が必要になるのはどんな時かということをお伝えしました。

    古物商許可を取得するためには、管轄する警察署窓口で申請に必要な書類を提出します。最終的には皆さんもそれらの必要書類を準備しなければいけないのですが、いきなり書類の準備に取り掛かる・・・というよりは、予め確認したり少しばかり考えておいた方がいいことがあります。

    それが

    ①古物商許可取得できる要件を満たしているか
    ②営業所はあるのか
    ③管理者は誰にするのか

    今回は、これらについてより詳しく見ていこうと思います。

    参考サイト①→【古物商】欠格要件とは~古物商許可を申請できる人とできない人~
    参考サイト②→古物商】営業所とは~古物商のための営業所でふさわしい場所~
    参考サイト②→古物商】管理者とは~営業所に必ず必要とされる理由~

    あなたは古物商許可を申請できる?《欠格要件について》

    古物商許可はほとんどの人が取得可能な許可です。しかし、これにはある条件があります。

    それが「欠格要件に該当していないこと」です。

    欠格要件とは古物営業法で定められている”古物商許可取得を認めることができない人”のことを述べたものです。どれか一つでも該当する場合は許可を取得することはできませんので、取得前には必ず確認が必要です。

    とは言っても、簡単に述べると欠格要件で定められている認められない人たちは、犯罪者や暴力団員などある一定数に限られています。

    【古物営業法(第4条)】
    公安委員会は、前条の規定による許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。
    1. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
    2. 禁錮以上の刑に処せられ、又は第三十一条に規定する罪若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条、第二百四十七条、第二百五十四条若しくは第二百五十六条第二項に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた日から起算して五年を経過しない者
    3. 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
    4. 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの
    5. 住居の定まらない者
    6. 第二十四条第一項の規定によりその古物営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)
    7. 第二十四条第一項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該取消しをする日又は当該取消しをしないことを決定する日までの間に第八条第一項第一号の規定による許可証の返納をした者(その古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で、当該返納の日から起算して五年を経過しないもの
    8. 心身の故障により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
    9. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が古物商又は古物市場主の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び第十一号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。
    10. 営業所(営業所のない者にあつては、住所又は居所をいう。以下同じ。)又は古物市場ごとに第十三条第一項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者
    11. 法人で、その役員のうちに第一号から第八号までのいずれかに該当する者があるもの

    ご覧いただくとわかるように、そのほとんどが年数での期限付き要件がほとんどです。したがって、例え一度過ちを犯した人であっても大体は5年の月日が経過したあとであれば古物商として新たに挑戦をすることが可能になるというわけです。

    では一つ一つ詳しくみていきましょう。

    ①破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

    破産手続きとは裁判所に自己破産の申し立てをすることを言いますが、要件では単なる破産手続きをした人ではなく”復権を得ない者”とあります。あまり聞き馴染みのない人もいるかもしれません。復権とは簡単にいうと破産者の本来の法的地位を回復させること(破産の手続きが終わり資格制限が解除されて元の一般人に戻ること)をいいます。

    通常は自己破産した人は破産者として扱われるので手続き中は一部の職に就くことはできません。しかし復権することができれば元通りに制限なく仕事をすることができます。したがって、破産手続き中は許可の申請はできませんが手続きが終わり無事に復権することができれば晴れて古物商許可を申請することができるようになります。

    ②禁錮以上の刑に処せられ、又は第三十一条に規定する罪若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条、第二百四十七条、第二百五十四条若しくは第二百五十六条第二項に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた日から起算して五年を経過しない者

    たとえ罪を犯していても、刑が執行されてから5年経過していれば許可の取得は可能となります。

    以前までは禁錮以上の刑に服していた場合のみ対象でしたが、平成30年10月24日に施行された古物営業法【改正法】にて、以下のような罰金刑を受けた場合も5年は取得不可と追加しました。※上記赤文字は改正法での追加部分

    ▶背任罪
    ▶窃盗罪
    ▶遺失物横領罪
    ▶盗品等有償譲受罪

    集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
    ④暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの

    この要件も平成30年度の【改正法】の際に新たに追加された要件です。警察は暴力団や暴力的行為を行う人たちに今まで以上に厳しく取り締まるという姿勢を新たにしました。例え犯罪に手を染めていないとしても、暴力団員であれば、許可を取得することはできません。

    この要件に関しては、年数などの決まりはなく暴力団員である限り一生許可の取得を不可としています。但し暴力団を抜け5年経過していることを証明することができれば許可の取得は可能となります。

    また暴力団員ではなくても、過去10年以内に暴力的不法行為を行っていた場合は反社会的とみなされ許可の取得は不可となります。

    ⑤住居の定まらない者

    路上生活者やアドレスホッパー、ネットカフェを拠点に生活している人などが当てはまります。

    住所が定まらないということは所在がはっきりしないということです。居場所が正確にわからなければ、万が一何かあった際に早急にみつけだすことが出来なくなります。古物商許可の取得は犯罪を防ぐ・取り締まる為のものですので、許可所有者の所在地を特定することができないのは不利です。そのため住民票を用いての住所確認は必須となっています。

    ⑥第二十四条第一項の規定によりその古物営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)

    古物営業法を違反した場合などは、許可の取り消しが行われます。許可を取り消された場合は、当該取り消し日から5年間は許可の再取得が不可となります。

    再度申請したい人は、5年経過したのち改めて書類等を集め一から申請する必要があります。したがって、古物商許可取得後はしっかりと古物営業の内容を把握し規則に従い営業するよう努めなければいけません。それは古物商としての義務でもありますが、結果的に自分自身を助けることに繋がります。

    ⑦第二十四条第一項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該取消しをする日又は当該取消しをしないことを決定する日までの間に第八条第一項第一号の規定による許可証の返納をした者(その古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で、当該返納の日から起算して五年を経過しないもの

    許可を取り消される場合、違反発覚後まずは事実調査のために聴聞が行われます。それらの手続きにはある程度の時間を要しますが、例えばその期間中に取り消しされる前に自分から許可を返納すれば取り消しではなく返納として扱われるのではないか・・・・と考えたとしても、それはアウトです。自分から返納したとしても取り消しの対象とされ実行された以上、5年間は許可の再取得は不可となります。

    ⑧心身の故障により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの

    心身(精神上の障害等)に故障があると判断された場合は許可取得を不可としています。これは、心身に故障があると判断能力を欠いて(不十分である)適正な判断ができないとされているためです。

    ⑨営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が古物商又は古物市場主の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び第十一号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。

    未成年者は基本的には許可の取得は不可としています。但し以下に当てはまる場合は例外として取得可能です。

    ▶結婚している
    ▶法定代理人から営業を許可されていて、かつ未成年者登記がされている
    ▶古物商の相続人として営業を引き継ぐ、かつ未成年者登記がされている

    ⑩営業所(営業所のない者にあつては、住所又は居所をいう。以下同じ。)又は古物市場ごとに第十三条第一項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者

    古物商は営業所を持ち、そこには必ず責任者として管理者を常駐させることが義務付けられています。

    管理者を選ぶ際も、申請者同様に欠格要件に該当していないことを確認する必要があります。万が一、法律上で管理者として認められない人を管理者に選任し申請した場合は、申請が受理されません。

    ⑪法人で、その役員のうちに第一号から第八号までのいずれかに該当する者があるもの

    個人で許可取得を検討している場合と法人の場合は用意する書類等が異なりますが、欠格要件の確認に関しても法人の方が少しばかり慎重になる必要があります。なぜなら、法人の場合は会社で許可取得ということになるので、会社の役員全員が欠格要件に該当しないかを確認する必要があるからです。これは例え役員の数が多くても必ず全員の確認が必要であり、万が一に一人でも該当者がいればその時点で許可の取得は不可となります。

     


     

    上記のどれにも該当していないとなれば、あなたは古物商許可を取得することができます。

    では、欠格要件に当てはまらないということが分かったところで次に書類準備の前に考えておくべき”営業所””管理者”について詳しくみていきましょう。

    営業所と管理者

    さて、営業所が古物商に必要だとは予想してなかった人もいるかもしれませんが、古物商にとって営業所の準備は必須です。

    営業所とは、古物商が古物の取り引き(売買・交換)を行う拠点となる場所を指します。基本的にはその営業所で取引が行われることになるので、警察側がその取り引き場所を把握しておく必要があるのです。したがって店舗を持たずにインターネットを利用して古物取引を行う場合でも、営業所の申請は必要となります。取引はネット上ではありますが、その取り引き作業を行うとされる場所を営業所として申請します。

    加えて、それら営業所には必ず現場の責任者として”管理者”の常駐が義務づけられます。許可申請時には営業所の申請と共に管理者の申請も行いますので事前に決めておかなければいけません。

    営業所が必要な理由

    古物商に営業所が必要とされている理由は、古物の取り引きをした相手と何らかのトラブルが発生した際に対処できる場所が必要だからです。何かしらのトラブルがあった際にお客さんが訪ねてくる可能性はゼロではありません。古物商には必ず外部に取り引きする相手がいます。取引相手への信頼性も含め、取引相手が営業所に訪ねてくるかもしれないということを想定したうえで、必ず営業所を選定しなければいけないというわけです。

    また、このように営業所を定めていることからも古物の取り引きを行う際は基本的には営業所のみで行うことと定められていますが、平成30年10月24日施行の【改正法】にて新たな内容が追加されました。

    【古物営業法(第14条)】

    古物商は、その営業所又は取引の相手方の住所若しくは居所以外の場所において、買い受け、若しくは交換するため、又は売却若しくは交換の委託を受けるため、古物商以外の者から古物を受け取つてはならない。ただし、仮設店舗において古物営業を営む場合において、あらかじめ、その日時及び場所を、その場所を管轄する公安委員会に届け出たときは、この限りでない。

    赤文字の部分が追加された内容です。

    内容の通り、予め公安委員会へ届け出ることが出来れば営業所以外の仮設店舗において古物取引が可能になったのです。仮設店舗とは催事場のイベントブース等、営業の責任の所在場所が固定されていないものを指します。この内容が追加されたことにより古物商はまた一つビジネスの可能性を拡げました。

    但し、必ず仮設店舗にて営業を営む日から3日前までに届出をしなければいけませんので注意が必要です。また記載内容(日時や場所)が不十分だと判断された場合は受理されませんので、可能な限り詳細に記入する必要があります。

    管理者が必要な理由

    【古物営業法(第13条)】

    古物商又は古物市場主は、営業所又は古物市場ごとに、当該営業所又は古物市場に係る業務を適正に実施するための責任者として、管理者一人を選任しなければならない。

    管理者は必ず営業所に常駐することが義務付けられています。営業所とは古物の取り引きを行う拠点となる場所とお話ししましたが、それらの取り引きが行われるということは営業所は何かしらの問題が発生する可能性が高くあります。その為、古物営業法のもと適正に取引が行われているかを現場で管理する人が必要となり、それらの責任をもつのが管理者となるのです。問題が発生しないように従業員への指導や取り扱う古物の知識を最低限つけておくことも大事な仕事です。

    管理者は誰でもなれるのか

    管理者になるための条件は、欠格要件に該当していないこと。規定としてあるのはこれだけです。

    したがって、管理者になるための欠格要件に該当していなければ誰でもなることができるので、申請者本人が管理者を兼ねることも可能です。一人二役で古物商(管理者)として営業を行っている人は大勢います。

    【古物営業法(第13条)】

    次の各号のいずれかに該当する者は、管理者となることができない。
    ・未成年者
    ・第四条第一号から第七号までのいずれかに該当する者
    ・心身の故障により管理者の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの

    上記で説明した申請者が確認するべき欠格要件の中で管理者が対象となるのは1~7です。また原則として未成年者・心身の故障のある者は管理者になることはできません。

    知識や経験は必要なのか

    管理者は欠格要件に該当しなければ誰でもなることができるとお話しました。しかし、実際は営業所の責任者として選任される管理者においては実務経験が必要と言われています。

    その理由としては管理者としての責任をしっかりと果たすためです。古物営業法の目的でもある”盗品の流通を未然に防ぐ”ためには、まったく知識がない人よりはある程度の経験と知識がある人の方が望ましいとされるのは当然です。かといってこれは条件として実務経験必須として定められているものではなく、あくまでも努力義務とされています。

    努力義務とは、可能な限り「~するように努めなければならない」もので例え違反したとしても法的制裁を受けることはありません。判断は当事者に委ねられていますが、ここにおける当事者とは管理者ではなく、古物商のことを指します。

    【古物営業法(第13条)】
    古物商又は古物市場主は、管理者に、取り扱う古物が不正品であるかどうかを判断するために必要なものとして国家公安委員会規則で定める知識、技術又は経験を得させるよう努めなければならない。
    古物商は、管理者を選任したうえで知識習得のために講習へ参加させたり、経験を得られるように指導する必要があるのです。また、公安委員会から不適当だと判断された場合は管理者の解任を要求されることもあります。
    【古物営業法(第13条)】
    公安委員会は、管理者がその職務に関し法令の規定に違反した場合において、その情状により管理者として不適当であると認めたときは、古物商又は古物市場主に対し、当該管理者の解任を勧告することができる。
    これらのことからも古物商本人のみならず、管理者は古物営業において非常に大事な存在であることが理解できたかと思います。

    営業所を選ぶ際のポイント

    一言で営業所といっても、近頃はレンタルオフィスやバーチャルオフィスといって物理的な場所を必要としないまま事務所としての機能を実現できるものまであり、その種類は様々です。では古物商許可取得のために申請する場合、どのような場所が適しているのか。

    公安委員会が定める使用場所の条件は「独立性があること」

    営業所では取り扱う古物の在庫を始め、取り引きの記録を管理する古物台帳など重要なものを保管します。その為、営業所はそれらを独立管理できる空間でなければいけません。またポイントとなるのが「物件使用の権限があるかどうか」です。ご自身が物件の所有者ではなく賃貸している場合は、所有者であるオーナーや管理会社から物件を営業所として使用することを承諾するという旨の書類”使用承諾書”を貰わなければいけません。

    業所に適しているか・営業所として使用できるかを判断するためには以下の条件をクリアする必要があります。

    独立性がある 営業所としての使用許可がある

    では、どのような物件であればこれらの条件を満たすことができるのか見てみましょう。

    主に可能とされる場所 独立性がある 営業所としての使用許可がある
    リサイクルショップ等の店舗
    一戸建て(持ち家)
    アパート
    マンション
    主に不可とされる場所
    レンタルオフィス ×
    バーチャルオフィス ×
    公営住宅 ×

    営業所は必ずしも店舗等である必要はありません。自宅を営業所として申請することも可能です。但し、その場合に必要となるのが所有者からの”使用承諾書”です。

    通常は賃貸でアパートやマンションを借りる場合は、賃貸借契約書の”使用目的”に「居宅以外に使用しない」等の記載がありますので、使用承諾書なしに無断で使用することは契約違反となります。アパートやマンションであれば大抵は使用承諾書を貰えるでしょう(オーナーによっては許可してくれない可能性もゼロではありません)

    但し独立性は認められても使用承諾書の取得が困難とされるのが公営住宅です。公営住宅の場合は貸主である自治体は社会福祉の一環として安い費用で住居を求める地域住民に貸し出していて、その目的は「住居専用」です。そのためその目的に背いてまで自治体が許可をだしてくれることはほぼほぼ不可能といえます。

    注意点

    営業所を決める際に注意して確認しておくべき点がいくつかあるので順に見ていきましょう。

    物件の契約期間

    使用する予定の物件が賃貸契約している場合は、賃貸借契約で定められている契約期間を予め確認しておきましょう。

    万が一契約期間満了間近であれば、申請時に質問される可能性が高いです。そのままその物件を契約更新する予定であれば、更新手続きを行う旨の書類を追加で用意しておくと良いかもしれません。

    営業所は複数申請可能

    営業所は一ヵ所だけではなく複数を同時に申請することも可能です。但し、その場合は”主たる営業所”といって、メインの営業所をどこにするか決めなければいけません。許可申請の際の書類記入で”主たる営業所”と”その他の営業所”を記載する欄は異なりますので、店舗の数が多い場合はどこをメインにするか決めておくとスムーズに書類記入を進めることができます。

    営業所として申請する必要のない場所

    店舗や自宅などの営業所に在庫等を保管する場合は別として、そのメインとなる場所以外で在庫の保管のみに使用している倉庫等がある場合は営業所として申請する必要はありません。また店舗であっても、古物の販売のみを担当していて買取は行っていない場合は営業所として申請する必要はありません。

    管理者は各営業所に

    管理者は各営業所ごとに決める必要がありますので、営業所の数が多ければその分管理者も選任する必要があります。

    営業所は原則管理者が通える場所

    管理者は営業所へ常駐しなければいけません。従って管理者を選任する際は、通勤することを念頭においておかなければいけません。

     

    申請する物件を営業所として認めるかどうかは管轄の警察署によって異なることもあります。不安な方は事前に警察署に相談する又は行政書士に依頼をご検討ください。

    では今回はここまでです。それではまた。

  • 【古物商とは②】リサイクルショップ開業

    リタウン・リサイクルショップ情報では、特にリサイクルショップ開業、運営のノウハウなど、ショップに有益な情報を配信しています。

    今日はリサイクルショップ運営に必須の古物商について第二回【古物商とは②】です。

    第一回では古物商になるメリットなどを始め、まずは古物商になるためには”古物商許可”が必要だということをお伝えしました。リサイクルショップを開業するうえでどんな物を取り扱うか、どのような方法で営業するか等様々、検討することかと思います。

    実は対象とする物以外にも『どのような方法で取引を行うか』という点でもリサイクルショップは古物営業に該当する為、古物商許可の取得が必要といわれています。では何がどう該当しているのか・・・・古物商許可を取得するうえでの最低限の知識として、今回はそこをより詳しく見ていこうと思います。

    参考サイト①→【古物商】許可が必要か不要かを判断するには~古物営業とされる取引方法~

    古物商許可が必要かを判断するには

    リサイクルショップ開業には欠かせない古物商許可ですが、なぜ必要なのか・どうやって必要だと判断しているのかなど詳しくわからない人もいるのではないでしょうか。

    許可が必要か不要かを判断するために見るべきポイント、それは下記に当てはまるかどうかです。

    ①取り扱う物が古物かどうか
    ②取引方法が古物営業に該当するか

    この二点を確認し、両方に該当している場合は古物商許可の取得が必須となります。

    該当するにも関わらず許可の取得を怠ってしまうと「無許可営業」として処罰の対象になります。今回は許可取得が必要とわかっている上での確認作業のようなものですが、古物営業法の規定には、申請時や取得後の決まり等も含まれています。当然それらを違反することも処罰の対象となりますので、古物商として勉強し理解するよう努めましょう。それもリサイクルショップ開業のための必要な準備です。

    古物に該当する13品目

    ではまずは①取り扱う物が古物かどうかについて見ていきましょう。

    これに当てはまるかどうかを確認するのは簡単です。古物営業法で古物は以下13品目に分類されていますので、ご自身の取り扱う予定の物が以下に含まれているかどうかを確認してください。

    【古物にあたる13品目】
    1.美術品類 美術品価値を有するもの全て
    ex)絵画,彫刻,アンティーク
    2. 衣類  身にまとう繊維・革製品等
    ex)婦人服,紳士服,子ども服
    3.時計/宝飾品類  身に着けて使用される飾り物やし好によって選択されるもの
    ex)アクセサリー,宝石,腕時計
    4.自動車
    (部品含む)
     自動車及び自動車の本来的用法として一部に使用されるも
    ex)自動車,軽自動車,その他部品
    5.自動二輪者および原動機付自転車
    (部品含む)
     自動二輪車、原動機付自転車、これらの一部として本来的用法として一部使用されるもの
    ex)自動二輪者,原動機付自転車,その他部品
    6.自転車類
    (部品含む)
     自転車及び自転車の本来的用法として一部に使用されるもの
    ex)自動車,軽自動車,その他部品(空気入れやカゴ等)
    7.写真機類  プリズム、レンズ、反射鏡等を組み合わせて作った写真機、
    顕微鏡、分光器等
    ex)カメラ,ビデオカメラ,レンズ,望遠鏡、天体望遠鏡,光学機器
    8.事務機器類  主に計算、記録、連絡等の能率を向上させるために使用される機械等
    ex)レジスター,パソコン,コピー機,電話.FAX,シュレッダー
    9.機械工具類  8.の事務機器類に該当せず、電機によって駆動する機械及び器具及び他の物品の生産、修理等のために使用される機械及び器具
    ex)医療機器類,電気機械,土木機械,工作機械,家庭電化製品
    10.道具類  上記1~9及び11~13に該当しないもの
    ex)日常品,スポーツ用品,家具,楽器,玩具類
    11.皮革/ゴム製品類  主として、皮革又はゴムから作られているもの
    ex)鞄,靴,財布,毛皮類,化学製品(ビニール製、レザー製)
    12.書籍  絹布、紙等の軟質な素材に、文字、記号、図面等を筆写、印刷し装丁・製本したもの
    ex)漫画,雑誌,中古本,地図,辞書
    13.金券類  金額が記載されているか、電磁的方法により記録されている証票その他のもの
    ex)商品券,各種入場券,航空券,乗車券,株主優待券

    リサイクルショップでよく扱われているであろう大体の物が含まれていますので、大抵の場合は該当するでしょう。

    古物営業法では古物ではないものについても定義していますが、それらはあまりリサイクルショップ等の類では見かけない物が多数です。

    【古物ではないモノ】
    1.本来の使用用途から性質が変化したモノ ex)リメイクして作られた財布やバッグ
    2. 消費して無くなるモノ ex)食品,化粧品,サプリメント
    3.原材料になるモノ ex)空き缶類,古新聞紙
    4.再利用せずに捨てるモノ ex)一般ごみ
    5.実体がないモノ ex)電子チケット
    6.観賞用でもアクセサリーでもない貴金属 ex)金貨,プラチナ
    7.大型なモノ

    (重量が1トンを超える機械で、容易に運搬ができない状態にあるもの/重量が5トンを超える機械で、自走や運搬ができないもの)

    ex)航空機,鉄道車両,庭石,
    石灯籠,総トン数が20トン以上の船舶

    万が一、上記の【古物ではないモノ】に該当するものを取り扱う予定の場合は、古物商許可は必要ないことになります。

    許可が必要な取引方法

    では次に②取引方法が古物営業に該当するかについて見ていきましょう。

    古物営業法では「古物営業とは何か」を定義しており、それらに当てはまらない場合は例え古物を取り扱おうとも”古物商許可は必要ない”としています。

    【古物営業法(第2条第2項)】

    この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。
    1. 古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの
    2. 古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業
    3. 古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)

    古物営業法で定義されている古物営業は上記のように3つに区別されています。

    それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。

    1.古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

    この営業方法で取引を行う人が俗に古物商と呼ばれています。リサイクルショップのオーナーはこれに該当することになります。そして古物商が行う取引方法が以下3つです。


    ①古物の売買

    店舗、インターネット上、対面、方法に問わずビジネス目的で古物売買をすることです。買い取った物をバラバラにし、中の部品だけを売る場合も同様です。

    ※但し、自身が既に売ったものを同一人物から買い取る場合はこれに当たりません。


    ②古物の交換

    交換のみの場合でも古物営業とみなされます。但し、全ての交換行為がこれに当てはまるわけではありません。判断基準は取引回数と商品の類似性(同じ商品ばかりを交換)です。交換回数が多ければ多いほど、そして同類の物を交換しているほどビジネス性があると判断されます。また交換したあとに、得た物を利用して利益を得ているかどうかというのは最も重要な判断基準です。

    ※友人や同僚、家族間であっても度重なる交換行為、それらから利益を得ている等の場合は古物商許可は必ず必要となります。


    ③委託を受けて売買・交換

    例えばヤフーオークションやその他オークションサイトでも、プロの売り手として第三者の物を売りにだしている人またはそのようなサービスを運営している会社があります。オークション系のサイトだと、過去の取り引き実績が多い人のほうが安心できるので、より早く高値で売れるケースが多く利用者も一定数います。頼む側であれば当然許可は必要ないですが、依頼を受けて他人の物を売買する場合は許可が必要となってきます。インターネットに限らず、お店などで行う場合も同様です。


    これら上記の方法で古物商として取り引きを行う場合には、以下の通り相手方の本人確認をすることが義務付けられています。

    【古物営業法(第15条)】

    古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとするときは、相手方の真偽を確認するため、次の各号のいずれかに掲げる措置をとらなければならない。
    1. 相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認すること。
    2. 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る。)の交付を受けること。
    3. 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。以下同じ。)による記録であつて、これらの情報についてその者による電子署名が行われているものの提供を受けること。

    2.古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業

    これを古物市場主と呼びます。リサイクルショップの開業をめざしている人であれば古物市場主になることはそうないとは思いますが、古物商となれば古物市場主と一切関わりがないわけではありません。

    古物市場主とは古物市場を経営する人のことをいいますが、古物市場とは古物商の間で売買・交換が行われる市場で、お目当ての物を安く大量に仕入れることができる古物商にとっては夢のような市場です。仕入れを安く抑えることは古物商としてビジネスをする上で非常に大事なポイントとなります。※古物市場は古物商のみ参加可能

    古物市場主は市場の提供・運営・管理をしますが自身が取引自体に関わることはありません。取引が行われる以上は盗品や偽物などが紛れている可能性もないとはいえませんので、万が一の場合に備え、取り引きが適正に行われるように現場の責任者としての役割を果たしています。

    3.古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)

    これを古物競りあっせん業者と呼びます。古物競りあっせん業は、インターネット等を通じてオークションを運営し収益を得る営業方法です。”売りたい人”と”買いたい人”をインターネット上で結びつけ競りによつて売買が成立するようあっせんし、サービスの利用者から受け取る手数料等で利益をだしています。

    自身は古物の『売買を行わない』『売買に関与しない』あくまでも売買の場を提供するだけというのがポイントとなり、上記1.2との大きな違いは古物競りあっせん業者の場合は古物商許可が必要ないということです。

    自身が取引をしないという点では古物市場主も同じではありますが、古物市場は古物商限定の市場で取り扱われるものは古物です。一方、古物競りあっせん業者が営むとされるオークションでは、(中には古物商としての取り引きでサイトを利用する人もいますが)多くは一般の人が参加し取り扱われるものは個人の不用品などが主です。警察管轄の下に古物商許可取得を義務付ける目的は、盗品などの流通を取り締まることなので、盗品等が出回る確率が低いとされている古物競りあっせん業者の営業方法では古物商許可が不要とされています。但しその代わりに、以下規定に基づきサイトを開設し営業を開始してから必ず2週間以内に所在地を管轄する警察署に届出書とその他必要書類をださなければいけません。

    【古物営業法(第10条第2項)】

    古物競りあつせん業者は、営業開始の日から二週間以内に、営業の本拠となる事務所(当該事務所のない者にあつては、住所又は居所をいう。以下同じ。)の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、届出書には、国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。
    1. 氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
    2. 営業の本拠となる事務所その他の事務所の名称及び所在地
    3. 法人にあつては、その役員の氏名及び住所
      古物競りあっせん業者営業開始届出書はここから
      記載例

    許可が不要な取引方法

    簡単に言うと上記に該当しない方法であれば、許可は不要となります。ビジネス目的での買取行為がない場合はこれに当てはまります。

    例えば、

    自分の不用品を転売
    新品の物を転売
    無料で貰った物を転売....等

    これらの方法でリサイクルショップやインターネット上で古物に該当するものを販売したとしても、許可は必要ありません。

    とはいっても自分の不用品や無料で貰った物を転売するには限界があります。少なくともリサイクルショップなどを長期的に運営していく上では難しいといえます。無料回収などで不用品を引き取り転売するなども可能ですが、その場合は一般廃棄物収取運搬業許可などの別の許可の取得が必須となってきますので注意が必要です。

    念のため許可が不要な取引方法のお話しもしましたが、リサイクルショップの開業を目指している人は基本的には古物商許可の取得が必要だと覚えておいてください。また当ブログでも紹介していますが、リサイクルショップ開業の仕入れ資金捻出のためオークションサイトを活用するのは一つの手です。

    古物商許可の申請準備と並行して賢く立ち上げ準備の方も進めると良いでしょう。

     

    では今回はここまでです。それではまた。

  • 【古物商とは①】リサイクルショップ開業

    リタウン・リサイクルショップ情報では、特にリサイクルショップ開業、運営のノウハウなど、ショップに有益な情報を配信していく予定です。

    今日はリサイクルショップ運営に必須の古物商について第一回【古物商とは①】です。

    皆さんは古物商って聞くと、どう思われますか?

    古物って古い物、商って商人あるいは商売のことになりますが、この[古い物]と[商人あるいは商売]というのが厳密に細かく定義されているのです。

    古い物を売るのに古物商が必要かっていうとそういうわけでなく、より具体的に古物商が必要なケース、必要でないケースが出てきますので、より詳しく見ていこうと思います。

    参考サイト→【古物商についての基礎知識】古物商になる為に必要な許可とは?

    古物商の【古物】とはなんのことなのか?

    古物っていうと単純に古い物ということになりますが、法律で定める古物とは厳密にいうと単純に古い物というわけではありません。

    【古物営業法の目的(第2条第1項)】

    1. 一度使用された物品
    2. 一度も使用されていない物品でも、使用の為に購入したもの
    3. これらいずれかの物品に”幾分の手入れ”をしたもの

    古物営業法の目的(第2条第1項)では、一度使用されたもの、一度も使用されていない物品でも使用のために購入したもの、そしてこれらのいずれかの物品に”幾分の手入れ”をしたものということになります。

    新品未使用品が3の幾分の手入れをしたもの、になるかどうかは微妙な部分ですが、小売店から購入した時点で古物に該当する可能性があり注意が必要です。逆に問屋などから定期的に購入して販売する場合は、古物の販売にあたらない可能性が高いです。

    古物にあたる13品目について

    古物営業法で定められている古物商が扱う古物は、全部で13品目に分類されています。

    古物商の申請をする場合は、この13品目の中からメインの1品目を選ぶかたちになります。サブで複数を選ぶことも可能ですが、あとから追加をすることが可能ですので、現時点で取り扱うものみ入れるようにしないと、警察(申請は最寄りの警察署)でつっこまれることがあるので注意しましょう。

    【古物にあたる13品目】

    1.美術品類 美術品価値を有するもの全て
    ex)絵画,彫刻,アンティーク
    2. 衣類  身にまとう繊維・革製品等
    ex)婦人服,紳士服,子ども服
    3.時計/宝飾品類  身に着けて使用される飾り物やし好によって選択されるもの
    ex)アクセサリー,宝石,腕時計
    4.自動車
    (部品含む)
     自動車及び自動車の本来的用法として一部に使用されるも
    ex)自動車,軽自動車,その他部品
    5.自動二輪者および原動機付自転車
    (部品含む)
     自動二輪車、原動機付自転車、これらの一部として本来的用法として一部使用されるもの
    ex)自動二輪者,原動機付自転車,その他部品
    6.自転車類
    (部品含む)
     自転車及び自転車の本来的用法として一部に使用されるもの
    ex)自動車,軽自動車,その他部品(空気入れやカゴ等)
    7.写真機類  プリズム、レンズ、反射鏡等を組み合わせて作った写真機、
    顕微鏡、分光器等
    ex)カメラ,ビデオカメラ,レンズ,望遠鏡、天体望遠鏡,光学機器
    8.事務機器類  主に計算、記録、連絡等の能率を向上させるために使用される機械等
    ex)レジスター,パソコン,コピー機,電話.FAX,シュレッダー
    9.機械工具類  8.の事務機器類に該当せず、電機によって駆動する機械及び器具及び他の物品の生産、修理等のために使用される機械及び器具
    ex)医療機器類,電気機械,土木機械,工作機械,家庭電化製品
    10.道具類  上記1~9及び11~13に該当しないもの
    ex)日常品,スポーツ用品,家具,楽器,玩具類
    11.皮革/ゴム製品類  主として、皮革又はゴムから作られているもの
    ex)鞄,靴,財布,毛皮類,化学製品(ビニール製、レザー製)
    12.書籍  絹布、紙等の軟質な素材に、文字、記号、図面等を筆写、印刷し装丁・製本したもの
    ex)漫画,雑誌,中古本,地図,辞書
    13.金券類  金額が記載されているか、電磁的方法により記録されている証票その他のもの
    ex)商品券,各種入場券,航空券,乗車券,株主優待券

    13品目に含まれないものは古物でないのか

    ここで疑問に思うのが、上記13品目に含まれないものです。

    古物営業法 第一条

    この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。

    そもそも古物営業法は、その目的が盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るためのものであり、盗難のリスクがない大型のものについては上記13品目に含まれず、また古物商営業法で定める古物にも当たらないとされています。

    例えば、航空機や鉄道車両、重量が1トンを超える機械で容易に運搬ができない状態のものは古物に該当しません。

    また、消費してなくなってしまうことから食品や化粧品なども古物に該当されないとされています。

    古物商になる方法

    さて、いわゆるリサイクルショップを開業したい、古物商になりたいという場合は、古物商の免許の申請して取得をする必要があります。

    古物商許可の申請は個人でも会社でも両方可能です。

    自分で警察署に行って申請も可能性ですし、書類のやり取りや時間を短縮されたい方は行政書士に依頼することも可能です。

    すべて自分でやる場合の申請にかかる手数料は19,000円です。

    一方、行政書士などに依頼をすると2-3万円が相場のようです。

    古物商になるメリット

    古物商になるデメリットは、特にありません。

    上記費用がかかってしまうということと、古物商許可取得に2か月くらいかかってしまうということくらいです。

    一方、メリットはたくさんありますので、下記にて詳しく説明をします。

    無許可営業での逮捕・処罰に怯える必要がない(堂々と取引ができる)

    昨今、ヤフオクやメルカリで売買を行うことで、定期的に売り上げ・収益を上げる個人や会社に対しての規制が厳しくなってきました。

    今年に入って個人で特定のブランドをヤフオクやメルカリで売買して売り上げを上げていた人が、摘発・逮捕された事件は有名です。

    「せどり」と言われる、ネットで買い付けて、ネットで販売するには古物商が必要であり、その線引きも難しく、個人のビジネスとして複数回やっている人は、かならず古物商の免許を持っておいたほうがいいと言えます。

    古物営業法
    第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
    一 第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業を営んだ者
    二 偽りその他不正の手段により第三条の規定による許可を受けた者
    三 第九条の規定に違反した者
    四 第二十四条の規定による公安委員会の命令に違反した者

    無許可営業の罰則は非常に厳しく、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金となります。

    古物市場への参加・買付けが可能になる

    リサイクルショップを開業するにあたり、お店の商品を定期的に確保するためには店舗や出張買取だけでは賄いきれません。

    そこで必要になってくるのが、古物市場への参加です。

    市場名   ジャパンオークションセンター
    開催場所  東京都足立区中央本町4-15-1
    主な取扱品 厨房商品、オフィス商品、家具家電商品、ブランド品など
    入会金   30,000円
    年会費   なし
    参加費   2,000円(駐車場代1台あたり1,000円)
    運営団体  ジャパンオークションセンター株式会社
    URL    http://auctioncenter.co.jp/jac/

    上記が関東でリサイクルショップを開業する際に一番おすすめな古物市場です。

    ブランド品を扱っている市場は多いのですが、ジャパンオークションセンターの場合は、家具家電、厨房機器、オフィス家具など、幅広いジャンルを扱っており、リサイクルショップを開業する際に必要なさまざまなものを仕入れることが可能です。

    税金を抑える、節税対策になる

    古物商の免許が取得できると、古物の仕入れにかかる費用をコストとして落とすことが可能です。

    必要経費としてコスト計上できるということは、節税対策として非常に大きいです。

    少し議論の分かれるところですが、年末で思ったより利益が出そうなタイミングで、たくさんの仕入れ(古物を仕入れ)することで、実質的に年度内の利益を抑えることができます。

    ※実質利益の繰り延べにはなりますので、該当の古物を販売した際の利益が大きくなります。

    お客様からの信用性・信頼性があがる

    古物商であることを商売上示すことは、企業間だけではなく、個人のお客様にとっても合法な業者であることを示すことでもあり、信用性・信頼性を上げることができます。

    ウェブサイトでも、古物商の番号が書いてあるほうが信頼されますし、しっかりとした運営サイトの場合は、古物商の番号が登録に必須であることが多いです。

    免許証は常に携帯することで、出張買取などでも必ず提示するように心がけましょう。

    古物商許可の取得方法

    古物商許可が取得できない非適格要件は、古物営業法第4条に詳しく明記されています。

    第四条 公安委員会は、前条の規定による許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。
    一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
    二 禁錮以上の刑に処せられ、又は第三十一条に規定する罪若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十五条、第二百四十七条、第二百五十四条若しくは第二百五十六条第二項に規定する罪を犯して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた日から起算して五年を経過しない者
    三 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
    四 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令又は指示を受けた日から起算して三年を経過しないもの
    五 住居の定まらない者
    六 第二十四条第一項の規定によりその古物営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して五年を経過しない者(許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前六十日以内に当該法人の役員であつた者で当該取消しの日から起算して五年を経過しないものを含む。)
    七 第二十四条第一項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該取消しをする日又は当該取消しをしないことを決定する日までの間に第八条第一項第一号の規定による許可証の返納をした者(その古物営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で、当該返納の日から起算して五年を経過しないもの
    八 心身の故障により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
    九 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が古物商又は古物市場主の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び第十一号のいずれにも該当しない場合を除くものとする。
    十 営業所(営業所のない者にあつては、住所又は居所をいう。以下同じ。)又は古物市場ごとに第十三条第一項の管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者
    十一 法人で、その役員のうちに第一号から第八号までのいずれかに該当する者があるもの
    その成年した日本人であれば誰でも古物商免許を取得するこおができますが、未成年と外国人の場合だけ注意が必要です。

    未成年の場合の古物商免許取得方法

    古物商は商という名前の通り、古物を売買する商人・商売をするための免許です。
    そのため未成年者が古物商免許を取得するためには、民法における未成年者の営業についての論点となります。
    民法第6条 (未成年者の営業の許可)
    一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
    未成年者であても営業許可を受ければ、古物商免許を取得することが可能です。
    未成年者の営業許可の論点については、実はもう一つ論点があります。そう、それは未成年者の結婚です。
    第753条(婚姻による成年擬制)
    未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。
    こちらも民法における重要な論点、未成年者の成年擬制と言われるものです。
    未成年者であっても結婚をした場合は、もう一人前とみなされ成人とみなされるのdす。そのため、営業もすることができ、古物商許可を取得することができると言えます。

    外国人の場合の古物商免許取得方法

    日本人と違って外国人の場合は、日本人とは違う書類が追加で必要になるので注意が必要です。
    入国管理法・入国管理特例法が改正され、「外国人登録法」が廃止されるとともに、「住民基本台帳法の一部を改正する法律」が2012年(平成24年)7月9日に施行されました。 これにより、一定の外国人住民の方も日本人と同様に住民票が作成され、届出の方法や場所などが変わっています。
    以前は外国人登録証明書を住民票の代わりに提出していたのですが、法律の改正により外国人も住民票を取得できます。
    そのため、外国人が日本人と違って準備しないといけない書類は、「身分証明書」の代わりになるものです。
    加えて、外国人が古物商免許を取得するには適切な在留証明(ビザ)が必要です。
    以下、それぞれに関して詳しく説明します。

    外国人の古物商許可申請「身分証明書」の代わりになるもの

    こちらについては、実際に申請する警察署に行って事前に相談することをお勧めします。
    多くのケースでは『申請する外国人は禁治産者や準禁治産者に該当せず、取引能力が制限される者にはあてはまらない』旨の文言を記載し、かつ日本人2名以上が署名した証明書を用意する必要があります。
    ※上記については特別な対応となるため、必ず警察署に確認ください。(地方自治の観点から最寄りの警察署に裁量を任せていると思われます)

    古物商許可申請が可能なビザの種類

    観光ビザなどでは当然古物商の申請はできません。
    日本で古物商としてやっていけるに十分なビザというのがポイントになります。
    ① 経営・管理
    日本で事業経営をするためビザ(在留資格)です。個人で古物商許可を取得する場合や、会社を設立して役員として日本で活動するためのビザです
    ② 永住者
    生涯生活の本拠を日本で過ごすことを想定されており、活動の制限や期間の制限がないビザ(在留資格)です。また特徴として就労制限がないため、古物商許可を取得することが可能です。
    ③ 日本人の配偶者等
    日本人の配偶者、日本人の子(特別養子含む)等の方などです。就労制限がないため古物商許可の取得可能です。
    ④ 定住者
    日本に相当期間の在留を認める特別の事情がある場合で、法務大臣が認めた者に対して与えられるビザ(在留資格)です。 例えば、日本人と一度結婚したが離婚や死別をし、その後も日本にいたいと希望をして認められると定住者ビザへ切り替えがなされます。就労制限がないため古物商許可の取得が可能です
    ※その他「技術、人文知識、国際業務」「企業内転勤」には条件が必要となりますので注意が必要です。
    ご自身が持っているビザが該当するなど事前に確認する必要があります。
    ※外国人が古物商免許を取得するのをご自身でやるのはお勧めしません。行政書士に依頼することをお勧めします。

    古物商許可申請・取得の難易度

    古物商は資格試験ではありませんので、試験を受けることなく基本日本人であれば誰でも取得可能です。
    そういう点では、国家資格である宅建、行政書士などと比較して取得が簡単であると言えます。
    一方、申請には2か月も要することになり、それをすべて自分でやるか、行政書士に頼むかは悩ましいところです。
    時間はたっぷりあるし、少しでも節約したいという人はご本人で申請することをお勧めします。
    行政書士に依頼するのも、2-3万円程度でできますので、自分の時間を有効に使って新しい仕事の準備に時間をかけたい方などは、ぜひ行政書士に依頼を検討ください。
    以上となります。